2022/03/05

母さんと30年

寝るときに俺はいつも母さんの側に居た。

子供の時期は、母さんは心臓が持病だったので
夜中発作ときにすぐ薬を飲ませるように。

いつの間に母さんは心臓の持病は好転して発作は無くなったが
この習慣は変わらないまま。

今は73歳の母さんは、ちょっと語呂は悪くなった
腰が悪くて風邪引きやすく、血圧が高いが
幸いまあまあそこそこ元気。

今は引っ越しを準備してるから
もう30年住んだこの家を見て、ああ、色々がありましたな。
ここに引っ越した時は中1なのに、今もう中年のおっさんだ。

ものを捨てる過程に、自分も色々変わりましたなと実感した。

少年時期に写真たくさん撮って、ゲームカセットを大事に抱いて
自分の原稿をカラーコピーして、音楽を録音でカセット保存して
色んなものを大事して抱いてた。捨てたくない。

でももう、そんなに抱ける歳じゃなかった。
本当に大事なことは、そんなに無かった。

1枚1枚大事に描いてた漫画も絵も、
実は人にとって暇つぶしのお菓子ようなもの。
誰もすぐ忘れていく。
本人でさえも、忘れていく。存在は小さいなっていく。

人生はそんなもんだよね。大事だったものは、
年に連れに1つずつ小さくなっていく。


ここの家に引っ越しばかりの頃、母さんまだ42歳だった。
ええ、今の俺の歳なんだ。ちょうど30歳差だからね

父さんはすぐ認知症で親孝行があんまりやらなかったが
母さんの場合はいっぱいしましたと思います。

それでも、母さんは老いていく。
大事に看護すれば、まだ少し時間があると思うけど
人生の時間は本当に短ったなぁ。

70年は、あんまり短った。

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