父さん最後に家に居た数日は俺が介護していた。
褥瘡など傷は殆どなく、体も清潔で綺麗だった。
今まで介護してくれたあの老人ホームは、
どれ程に父さんを大切してくれたのは分かる。
姉さんから聞いてた話では
一部(どれほど居るのは分からないが)老人ホームは介護ではなく
管理の便利を優先させて
老人の腕や足を縛って歩かせない、ベッドに寝かせるんだ。
そっちの方が管理しやすいという。
もちろん、それで筋肉はすぐに退化して
数ヶ月で経てると縛らなくでもあの人は自力歩けない。
座るままあるいは寝かせられたまま
食事させると排泄を処理する、という生かせる方法。
歩ける老人はある意味は老人ホームにとって厄介。
何をやるのは予想できなく、危険の行動を止めるのは人力も足りない。
実際、年寄りの子供でさえ親の介護はしたくない人はかなり多い。
子供は仕事だってあるし、例え仕事が無くでも暇な人でも
自分やりたい事がたくさんあって
自分の時間を親の介護に奪われたくない。
そういえば最初の老人ホームに送った頃まだ歩ける父さんは
僅か1年で歩けなくなる。
今で思えば、早すぎると思った。
.....しかし早めに気付けでも正直、どうにもならないだろうな。
経験しないと分からない事だよね....
老人の介護は、これから大変な時代になるはず。
70歳や80歳を生きるのは当たり前の時代になるからね。
老人ホームから運べて
家に戻った時、父さんは泣いてたと聞いてる。
俺はその場が傍に居ていないから見てなかった。
父さんはここが家と分かっているかも、と。
認知症はどこまで意識が残っているのは分からない。
しかしどんなの人にとっても、家に居るのは一番はず。
最後の最後で父さんを家に戻らせたのはよかった、と思う。
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