2009/12/04

誰も知らない

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%B0%E3%82%82%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84
1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として映像化した作品である。

映画を見ました。
最初はネグレクトの資料探しつもりだったのが、まさか
全部見たと思わなかった。

感想を書きます。

映画を見る限り、何となく内容の表現は”ある程度に抑え目”にしてた。
事件自体はもっと酷かった、映画だからこの程度で済むの話。
それでも、相当に酷かった。

母さんの福島けい子は、子供を愛していない訳が無い。
子供と一緒に食事、髪をカットして、大体にニコニコして会話してた。

でも自分の幸せのために
色んな事を”見ない振り”して、子供達に放置して離れていた。
一応生活費を残してたが、本当に最低限にも届かなかった。

”子供達はしっかりしているから、私は少し離れても大丈夫でしょう。
いつか戻るはずだから、問題があれば電話一本で戻れるし
何とかになるでしょう。”という軽く気持ちで、4人子供を家に置くんだ。

長男も真面目にしっかり、12歳で妹と弟を面倒し続けてた。
でも段々にお母さんが戻って来る頻度が下がっていく
渡された生活費も底をつき、子どもだけの生活に限界が近づき、
序盤ならテレビを見られる、服も洗われる事も
料金滞納から電気・ガス・水道も止められるため全てが出来なくなった。

使う金は、1万円紙幣から1千円へ
そして段々に500円や100円しか残らなかった表現は怖かった。
子供にはどうにもならない。
働けないから、金がどんどん減る事を阻止できなかった。

最初はまだカレーやケーキくらい買える余裕があったが
いつの間にカップラーメン頼り、公園の水道水で飲んで
後半になるとコンビニ賞味期限の切れた弁当を待つになった。

最初は普通に明るい部屋も、シーンを進める度に荒くなっていく
絵を描くクレヨンは、最初はちゃんと筆の長さだが
ストーリーの終盤ではもう握れないほど短くなったシーンは
ちょっと見られなかった。

明くんも一応大人に助けを求めていたが、
本当に誰も”自分で精一杯”の姿勢でほん僅か協力しかしてなかった。

明くん中盤で子供達に部屋から連れ出した遊んでシーンは
あの子は本当に頑張ったと思った。彼なり、親代わりに。

多分10歳も満たない妹の京子も
自分からお年玉を出して生活費を回ったシーンは切なかった。

まわり人も、それなりに親切だったと思った。
コンビニ店員は賞味期限切れの弁当をあげて
ちょっと中途半端の優しさだけど、そこがまだリアルだった。

子供達がなんか可哀想、少しなら助けあげよう
でも本気で助けるほど、こっちだってそれほど余裕が無いよ......
これは本当の現実だと思う。

ヒロインは高校生で、子供達にできるだけ面倒や金の支援をしてた。
彼女はおそらく、この映画一番の救いと思った。
本当に自分の力を全てを出して子供達に精一杯に助けていた。

でも、やっぱり未成年で、できる事が限られているので
結局気休めにしかなれなかった。


現代だから何とか最低限で、生き延びる子供達。

劇中は、最後まで母さんが戻れなかった。
そこはまだ切なかった。

誰も、悪意を持っていなかった。

ただ見ないフリしてただけ。


この点だけは分かっている.........
でも、やっぱり

大人がもっとしっかりすれば、
子供達がもっと幸せ.......
せめて普通の幸せがもらえるじゃないかなと思った。


だからさ、大人は責任を持って
もっとしっかりしないと.........と思っていた。

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