2013/02/10

善と悪の日常

天野洋一、”アルベリーとアワレな悪魔憑き”の感想。

なるほど、”まじかる☆タルるートくん”の21世紀版なのか。
しかしこのタイトルは覚え難いよ、何とかしてくれないか。

この作品のアイデアは面白い。
邪悪なアイテムで良いことをやる所が話として幅広い。
悪魔は格好良いし、うまく行けば面白い漫画になりそうだ。

だがなれなかった。

この作品の最大欠点はキャラ。
弱そう平凡な主人公は何とか普通にいけそうだが
問題は、神と悪魔の方だ。
つまりこの作品の”善と悪”は駄目なのだ。

悪魔は悪そうだけで、邪悪は無かった。
こういうキャラを出せたいなら思い切り邪悪を見せて
そして物語の展開で折れるの方が面白い。

しかしこの読みきりに悪魔は自ら白紙に戻るのせいで
邪悪に見えない、中途半端な良いやつになった。
これじゃ面白くない。

タルるートは性質上がマスコットキャラから
具体的行動はしなくでもいいけど
この作品の場合は、これほど強そうで格好良い悪魔なのに何もしない
それは駄目なのだ。
読者はこの悪魔はどんなの悪事を働くを期待しているのに。

神も道化役過ぎて全然魅力が無い。
これはキャラクターの段階でやり直すべきだった。

この作品、キャラクターは上手く配置すれば
日常の良い事も悪い事も、邪悪なアイテムで増幅できるはずだ。
読者は”イタズラの楽しさ”を感じるつつ”善と悪”の事を考えさせる。

しかし今のキャラクターではそれをできない。
この作品は上手く調理すれば結構良い感じになる分、余計に惜しい。

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