2010/12/11

”流狼の旅”の感想

この作品、時々思い出せる。

あんまり目立てないストーリーやキャラクターだが
画力は優れる、雰囲気が繊細で優しく、
本当に暖かくてそこそこ好きな作品でした。
3巻だけで終わるのは勿体無いくらい。

で、ある疑問があった。

2巻の最後でヒロインであるククルゥはお父さんと対面するシーン。
なぜ、あのお父さんはあんなに酷い話を言ったのか。

たった一人の娘と感動の再会はずなのに、
これから一緒に暮らせなくでも
お父さんは普通に喜べでもいいじゃないか。

俺はそこが後味が悪くて
3巻で打ち切りを直結した理由と思った。

で、今日でもう一度に2巻を読んだ。
.......あれ、ククルゥはリュックを忘れた、という描写があった。
本当にどーでもいいセリフなので、初見で見落としました。

......伏線?!
あのエピソードは、そこで終了した訳がないかよ。

そうすれば辻褄があった。

父さんと絡む情報はいくつ疑点があったが
俺は伏線を張った割りに、作者の説明力不足と思ったから
そう描いたが、実は裏まだある訳か。

だとしたら、この作品の欠点は、”繊細過ぎる”かもしれない。

つまりさ、読者にとって繊細すぎるとヒントやメッセージが伝え難い。
結果的に一番重要な所が伝えない事になる。

裏があるならもっとハッキリ読者に”裏があるぞ”
ような描かないと、読者にとって
”ヒント”として捉えず、ただ”不協調”になる訳だ。

一応少年漫画だから、こういう白黒はハッキリつけて欲しいな。
好きな人でさえ隠れるメッセージを取れないなら
そこのバランスが悪いとしか言えない。惜しかったよ。

まあ、話として露骨な伏線を張っても回収しきれない
可能性が高いだから敢えてそういう描き方を選んだかもしれないが
ならば、いっそ安易なハッピーエンドを選んだ方がいいかも。

でもそうすれば、それこそ誰も選んだ展開だから普通過ぎて
俺は既にこの作品を忘れたかもしれない。

.......こういうのは難しいですね。
勉強になりました。

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