2013/10/08

スランプの話

漫画を描く時にスランプ、という事は昔に2回ほどがあった。

1回目は大学の時期。
新人賞を取ったあと、絵が下手を自覚した。
大学は芸術系なので色々表現手法を見てきた。

とにかく色々表現を取り込むつもりだが
段々迷いが増えてくる。

だって相変わらず漫画の絵が上手くなってないし
なんか表現の幅も変わっていないし
話を描く時も、シリアスを描くつもりでも
行き止りになるとギャグで逃げてしまうし。

斬新なアイデアを求める、予想外の展開を描きたいため
自分でも10ページ後の話が分かっていない。
話は把握できなく、結局自滅した作品がたくさんあった。


2回目は大学卒業の後くらい。
その時は長年に描いてた作品が終わりました。
そして、新しい作品を描くときが気付けた。

描き慣れたキャラ達以外のキャラクターはどう描くのは分からない。
今まで描いてた話のパターン以外、書く気が起これない。
無理に”新しい”物を書いてもしっくり来ない。
自分でも面白いと思えない。


2回とも”新しい物”を目指すのに逆に迷いになった。

そして2回とも、
求める新しい物は実はただの”目新しさ”じゃないと気付けた。

いくら目新しい物でも、自分が欲しくないと意味が無い。
”自分が表現したい物”が広がないと強要しても逆効果。


これら経験はあんまり作品のレベルと直結していない。
しかし、作家として良い能力と思った。
これはかなり大きな範囲の事だから、把握できると簡単に迷わない。

どんなのジャンルを描く、どんなの粗筋を決めよう
これは案外に厄介な事。

1作目を終わる作者は2作目が上手くできてない
同じジャンルから離れない事は時々ある。

1回目のスランプは感情の表現幅を広げ
2回目のスランプはジャンルの思考を広げた。

正直の話、この2回のスランプが無ければ
恐らくずっとギャグ気味のRPGファンタジーの話しか描けない。

連載を描けば10話20話くらいの話ならまだいけるけど
それ以上になるとどうしても同じパターンを繰り返すになると思う。
あれじゃプロになっても続けない。


一見作品と関係ない所
実は作家の引き出しに関わっているんだ。

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