2011/09/14

穴だらけ

知り合いは原稿進行中、ちらっと見た。

もう一人はあの原稿を絶賛した。
俺の方はちょっと”そう?”と思った。

あの描き方は、漫画を映画として考えてるの描き方。
カメラワークは素晴らしいが、ああいう漫画は描き込むが必要。

しかし正直、あの仕上げは穴だらけと思った。
頭の中のイメージはあるが、彼の技術では上手く描けない。

まあ時間をかければ何とかになるけど
月刊連載なのでそれも出来ない。

把握しきれないキャラクター。見づらい構図。
未熟な仕上げ。問題だらけ時間管理.........
彼にとって連載を描くまだ条件が整えないと思わせた。

キャリアから考えればそこそこ上手いレベルと思うが
ある意味自分を過信だから作画方式の選択ミスの所かな。


頭の中に”出来たイメージ”はあっても
”完成作品”まで道がかなり遠い、というシチュエーションを実感した。

それ本来は極めて高いの画力、
大量のアシスタントが居る初めにできる描き方だ。

もちろん本当に出来たら、絵で魅せる作品になれるが
残念ながらあの人は腕がそれほどセンスが無い。
あるのは、頭の”イメージ”だけ。

彼は絶対に知っている。
だがそれを処理する余裕はなかった。
このままじゃ5話目を描く前にきっとピンチが現れる。

だからさ、俺の描き方は確かに華がないけど
このレベルの腕なら”分かり易い”の絵を見せるの方が正しい。

漫画はね、見せるのは”絵”ではなかった。
絵は見せるの”手段”に過ぎない。
上手くない人なら、自分の器量を合わせて表現を選ぶべきと思う。

”高段な技術を使える”の事は”自分の実力が高い”と等しくない。

この事で、映画の考え方はあんまり漫画に似合えないと再確認した。

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